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在宅酸素療法 (Home Oxygen Therapy = HOT)
在宅酸素療法とは、呼吸器などの病気が原因で体内にうまく酸素が取り入れられなくなった場合に、自宅で酸素供給機から必要時もしくは常時、酸素吸入を行う療法で通称ホット(HOT=Home Oxygen Therapy)と呼ばれています。
在宅酸素療法を行うことで、生命予後の改善、息切れや症状の緩和、仕事の継続・復帰、外出機会の増加など、慢性呼吸不全患者さんにとって生活の幅の拡大(質の向上)が見込めます。
※在宅酸素療法をされている方の日常生活の送り方はコチラ  
 在宅酸素療法の患者さんは体を動かすと息切れを及ぼすため、外出などに対して少なからず不安を抱いています。そのため、外出等を避けて家に閉じこもりがちになってしまう方もいらっしゃいます。

 当院では、在宅酸素 友の会 「ひまわり」という在宅酸素療法患者さんのための患者会を立ち上げて、平成10年より毎年春と秋の年2回、バスハイクを催しています。この患者会バスハイクでは、当院のスタッフ(医師1名・看護師3名・理学療法士1名・コメディカル1名・在宅酸素プロバイダー4名)も同行し、患者さんが安心して旅行ができるよう医療体制も充実させています。今後も患者さんにとって思い出に残るバスハイクを続けていきたいと思います。

  当院の患者会バスハイクの詳細はコチラ  
 現在、北九州市内には約1000人ほどの在宅酸素療法(HOT)患者さんがおり、当院では約100人の患者さんがいらっしゃいます。

 当院は、もともと公害問題のあった北九州市で塵肺・労災指定病院として開設され、1985年から在宅酸素療法(HOT)を本格化し、現在では呼吸器における急性期から長期の在宅呼吸ケアまで幅広く対応できる呼吸器内科専門の病院として位置づけられています。

 また、病院に併設している在宅介護部門(デイケア・デイサービス・訪問看護ステーション・ケアプランステーション・ヘルパーステーション)との連携により、入院−治療−退院−在宅での酸素療法を継続して行うことが可能です。
 その併設施設の中でも、デイケアほっとホーム霧ヶ丘では在宅酸素療法をされている方の受け入れを積極的に行っており、介護保険下においても呼吸リハビリテーション等の在宅呼吸ケアが継続できるという特徴を持っています。

 入院や退院後の在宅酸素生活について不安や悩み等わからないことがある方は、当院のソーシャルワーカーや併設ケアプランステーションのケアマネージャーに相談されてみてください。
在宅酸素療法の保険適応基準
 在宅酸素療法の医療費は健康保険が適用されます。老人医療受給者証や重度身体障害者医療費助成制度も適用になります。保険診療となっていますので月に1回の受診が必要で、そこから在宅酸素療法指導管理料という形での保険請求になります。
 
保険が適応になった患者さんは月1回の受診をしないと、それ以降の保険適応の継続ができなくなります。
慢性呼吸不全例のうち、動脈血酸素分圧が55Torr以下の者、および動脈血酸素分圧が60Torr以下で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症をきたす者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めた者であること。
対象疾患は、高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症、チアノーゼ型心疾患であること。
高度慢性呼吸不全の主たる基礎疾患は、慢性閉塞性肺疾患、肺結核後遺症、間質性肺炎、肺癌などであること。
酸素吸入以外の有効と思われる治療が既に行われており、少なくとも一ヶ月以上の観察期間を経て安定期にあること.

在宅酸素療法は、原則として上記の適応基準に当てはまる例が導入されますが、厚生省の実態調査によると、約35%が動脈血酸素分圧が60Torr以下の基準を満たしていないという報告があります。

在宅酸素機器のご紹介
酸素濃縮装置 酸素液化装置 携帯用酸素ボンベ 携帯用酸素容器

空気を取り込み、
窒素を吸着させて
90%以上の酸素
濃度にして供給す
ることができます

低温液化された酸
素を気化させて供
給する装置。酸素
濃度99.5%以
上の純酸素であり
電気代も不要です

気体の酸素を充鎮
している高圧容器
で、外出時に使用
する場合は専用の
カートに収納して
持ち運びをします

液体酸素を常圧で
保冷して携帯する
ための容器。小型
かつ軽量で長時間
の外出も可能です

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